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特集 尿酸の功罪

【各論】1.神経系 1)変性疾患(MS,認知機能)

Neurodegeneration (MS, cognitive function)

加藤信介小浜博司加藤雅子

高尿酸血症と痛風 Vol.23 No.2, 32-36, 2015

「Summary」多発性硬化症(MS)では血中尿酸値が低い傾向にある。機序としては,脱髄形成時期に出現するマクロファージ胞体内に誘導されるキサンチン酸化酵素(XO)と誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)により,細胞毒性の強いパーオキシナイトライトが産生される。このパーオキシナイトライトを解毒させるために尿酸が使用される。結果として,MSでは低血中尿酸値傾向となる。認知機能については,アルツハイマー病(AD)とレビー小体型認知症(DLB)が医学的に問題となる。ADの特徴はアルツハイマー神経原線維(NFT)と老人斑(SP)であり,両者の形成に伴い神経細胞死が惹起される。DLBの特徴はレビー小体(LB)であり,LB形成も神経細胞死の要因である。尿酸とNFT,SP,LBの各形成との関係は不明だが,高尿酸血症はADやDLBにかかりにくいという報告は,尿酸の功罪の観点から,MS,AD,DLBでは尿酸は功といえるだろう。
「Key Words」尿酸,多発性硬化症,認知機能,アルツハイマー病,レビー小体型認知症,認知症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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