特集 痛風・核酸代謝における検査・診断法の進歩
核酸塩基配列決定法の進歩
History of a sequencing method of deoxyribonucleic acid(DNA)
高尿酸血症と痛風 Vol.23 No.1, 19-25, 2015
「Summary」遺伝物質であるDNA(デオキシリボ核酸)が二重らせん構造をしていることが,1953年にワトソンとクリックにより提唱された。この二重らせんモデルにより,遺伝がDNAの複製によって起こることやDNAの塩基配列が複雑な遺伝情報を担っていることが説明され,分子生物学の発展に大きく寄与した。それから分子生物学分野は測定機器の開発や解析を行うコンピュータ能力の向上などにより飛躍的な発展を遂げ,50年後の2003年にヒトゲノム計画が終了した。その10年後の現在では,約30億個の個人の遺伝情報であるDNAの塩基配列をおよそ1,000ドルで解析できる次世代シーケンサーが開発され,それを利用した研究やビジネスが始まっている。本稿では,DNAの塩基配列を決定する方法の進歩について,歴史を追って紹介する。
「Key Words」塩基配列,DNAシーケンシング,サンガー法,電気泳動,次世代シーケンサー
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