「はじめに」今回は「慢性腎臓病(CKD)を合併する高尿酸血症・痛風の食事療法」をテーマとし,高尿酸血症・痛風の食事療法における基本ポイントに,『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013』1)で奨められているポイントを加えた食事療法を紹介する。
「高尿酸血症とCKD」高尿酸血症と腎障害とは密接な関連を有していることが示されている2)。高尿酸血症はCKDの進展に影響を及ぼす可能性があり,CKD進展抑制を目的として,高尿酸血症の治療を考慮してもよいとされている1)。Isekiらの集団検診の受診者を対象とした報告によると,血清尿酸値は腎機能低下と正の相関を示し,血清尿酸値が8.0mg/dL以上の集団と5.0mg/dL未満の集団を比較すると血清クレアチニン高値の相対危険度が,男性で2.9倍,女性で10.4倍である3)。