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学会賞 受賞演題・論文解説 第28回 日本排尿機能学会

臨床部門 Male LUTS患者における前立腺質的変化の意義と下部尿路症状発症機序の解明─遺伝子発現プロファイリング解析によるMRI/ADC値を規定する遺伝子群の同定─

赤井畑秀則

排尿障害プラクティス Vol.29 No.2, 84-85, 2021

男性下部尿路症状(Male lower urinary tract symptoms;Male LUTS)では患者ごとに症状や所見が異なります。前立腺体積が大きければそれだけ症状が強いという経験はあると思いますが,ほぼ前立腺体積が同じ患者間でも症状の程度が異なることも経験すると思います。このように,LUTSの程度は必ずしも前立腺量的変化に依存していません。膀胱機能の差はもちろんその大きな要因であると推察されます。しかしながら,われわれは前立腺質的変化(前立腺における腺組織や筋組織の量や機能の変化,炎症の程度など)も関与するのではないかと考えました。前立腺質的変化を非侵襲的に評価するにあたり,われわれは微細な組織学的変化を描出するMRI/ADC値に着目しました。前立腺MRI/ADC値とその前立腺組織を用いた遺伝子発現プロファイリングを併用することが,Male LUTSの前立腺質的変化を介した発症機序解明の一助になると考えました。そこで今回,ヒト前立腺組織を用いた網羅的遺伝子発現解析からADC値を規定する遺伝子群を特定し,LUTS・下部尿路機能障害(lower urinary tract dysfunction;LUTD)との相関を検討することで,前立腺質的変化によるLUTS・LUTD発症機序について考察しました。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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