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特集 夜間頻尿診療ガイドライン第2版を読み解く

夜間頻尿と睡眠障害:不眠に対する治療について

内村直尚

排尿障害プラクティス Vol.28 No.1, 56-61, 2020

不眠に対する治療として,まず患者の生活習慣や睡眠環境に改善点がないか詳しく問診し,非薬物療法から始める。それでも不眠の改善がみられない場合は,入眠困難,中途覚醒,早朝覚醒など不眠の症状に合った睡眠薬を選択し処方する。転倒・骨折などの副作用も懸念されるが,睡眠薬以上に不眠そのものが転倒・骨折のリスクとなる。夜間頻尿に多くみられる中途覚醒には,半減期が約5時間程度のエスゾピクロン,早朝覚醒もともなう場合はさらに作用時間の長いスボレキサントが勧められる。明らかに夜間頻尿が不眠よりも先行している場合は,ラメルテオンが睡眠の改善とともに抗利尿ホルモンの増加による夜間排尿量の減少も期待できる。以上のように,不眠があれば,生活習慣改善などの非薬物療法,および睡眠薬投与などの薬物療法を行うことが夜間頻尿の改善につながる。
「KEY WORDS」夜間頻尿,睡眠障害,不眠,生活習慣指導,睡眠薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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