特集 夜間頻尿診療ガイドライン第2版を読み解く
夜間多尿の病態:循環器内科の立場から
排尿障害プラクティス Vol.28 No.1, 28-33, 2020
夜間頻尿・多尿は畜尿障害だけではなく,夜間尿産生が亢進することによって発症することもある。尿産生にはナトリウム(Na)利尿と水利尿があり,代表的な疾患として各々高血圧と心不全が考えられる。食塩感受性高血圧で塩分摂取過多となると,昼間だけではNaを排泄することができず,夜間に排泄をせざるを得なくなる。そのため,夜間高血圧によるNa排泄のため尿産生に導かれ夜間多尿を呈する。一方で,心不全では夜間臥位により静脈還流が上昇するため,水利尿をして心臓への負担軽減を促すような適応現象が起こり,夜間尿産生亢進による夜間多尿を呈する。前者はサイアザイド系利尿薬でNa排泄を促し,後者はループ利尿薬で水分排泄を促すことが,夜間頻尿・多尿の治療となりうると考えられる。
「KEY WORDS」ナトリウム利尿,水利尿,夜間尿産生,圧-利尿曲線
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。