過度のストレス曝露(不安を感じたり,緊張したとき)により頻尿,つまり排尿反射の亢進が起きることが知られていますが,その詳細な発症機構は明らかになっていません。これまで我々は,ストレス反応性脳内神経ペプチドであるアンジオテンシンⅡ(Ang Ⅱ)が脳内Ang Ⅱタイプ1(AT1)受容体を介し,排尿反射亢進を惹起することを動物実験にて明らかにしました1)。本研究では,脳内GABA神経系ならびにAT1受容体下流シグナル分子〔phospholipase C(PLC)/protein kinase C(PKC)/NADPH oxidase/superoxide anion〕に着目し,脳内Ang Ⅱによる排尿反射亢進の分子機構解明を行いました。さらに,中枢移行性のあるAT1受容体遮断薬テルミサルタンが,脳内AT1受容体を標的として脳内Ang Ⅱに起因する排尿反射亢進を抑制しうるか検討しました。
学会賞 受賞演題・論文解説 第25回 日本排尿機能学会賞
基礎研究 ストレス反応性脳内神経伝達物質アンジオテンシンⅡによる排尿反射亢進の分子機構解明・排尿反射亢進に対する脳内アンジオテンシンⅡタイプ1受容体を標的とした治療効果の可能性
掲載誌
排尿障害プラクティス
Vol.27 No.1 72-74,
2019
著者名
清水翔吾
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
泌尿器
診療科目
泌尿器科
媒体
排尿障害プラクティス
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。