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総説 薬剤による排尿障害―添付文書の副作用発現頻度からのアプローチ―

関成人宮崎さやか望月正栄松下範子伊藤由彦渡邉順子山田静雄

排尿障害プラクティス Vol.26 No.1, 87-99, 2018

医薬品添付文書の記載データをもとに,排尿障害の発現頻度を調査すると,比較的高い薬剤は合計で192剤,薬効分類は合計40分類と多岐にわたる。「抗癌剤」「抗精神病薬」「パーキンソン病/症候群治療薬」には,排尿症状と蓄尿症状の発症と関連する薬剤が多く含まれている。「抗うつ薬・気分安定薬・精神刺激薬」「泌尿・生殖器用薬」「抗不整脈薬」「麻薬」には,主に排尿(排出)症状の発症と関連する薬剤が多く含まれている一方,「抗ウイルス薬」「抗てんかん薬」「インターフェロン・インターロイキン製剤」「糖尿病用薬」(SGLT2阻害薬)には蓄尿症状の発症の原因となる薬物が多く含まれている。多剤併用の多併存疾患の患者では,有害事象として排尿障害の発症に注意をすべきである。
「KEY WORDS」薬剤性排尿障害,ポリファーマシー,排尿症状,蓄尿症状,抗コリン作用

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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