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特集 歩行障害・認知症をともなうLUTSの診方

【歩行障害・認知症をともなうLUTSの治療とケア】認知症をともなうOABの薬物治療

後藤百万

排尿障害プラクティス Vol.26 No.1, 54-60, 2018

わが国における過活動膀胱(overactive bladder;OAB)治療薬は,80歳代をピークとして約70%が70~90歳の高齢者に処方されている。高齢者では加齢とともに認知機能障害の頻度が増加し,認知症をともなうOAB患者の薬物治療においては薬剤選択に注意が必要である。抗コリン薬は,口内乾燥や便秘など高齢者で問題となる副作用の発現頻度が高く,認知機能に影響を及ぼす可能性も危惧されている。高齢者の多くはポリファーマシーの状態であることが多く,抗コリン作用を有する薬剤を多用している場合には,OAB治療薬としての抗コリン薬の投与の際に副作用の発現に注意が必要であり,特に認知症の患者ではβ3作動薬の選択が推奨される。
「KEY WORDS」過活動膀胱,認知症,薬物治療,抗コリン薬,β3作動薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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