過活動膀胱は,加齢とともに有症状率が高くなることがわが国の疫学調査で明らかになっている。特に50歳以上では,男性で頻度が高い結果であった。2015年に発刊された『過活動膀胱診療ガイドライン[第2版]』で述べられている推奨グレードは,男女全体をまとめて示された推奨グレードであり,前立腺を有する男性にそのまま反映することはできない。一方,同ガイドラインには,前立腺肥大症を有する男性の過活動膀胱に対する薬物療法についての記載もあり,現時点におけるmale LUTSに対する抗コリン薬やβ3作動薬の位置づけが示されている。本稿では,『過活動膀胱診療ガイドライン[第2版]』をもとに,male LUTSにおける抗コリン薬およびβ3作動薬の役割について解説する。
「KEY WORDS」前立腺肥大症(BPH),過活動膀胱(OAB),抗コリン薬,β3作動薬,過活動膀胱診療ガイドライン,male LUTS