前立腺癌
第39回 ホルモン治療と下部尿路症状(LUTS)
掲載誌
排尿障害プラクティス
Vol.22 No.2 59-63,
2014
著者名
辻村晃
/
高尾徹也
/
野々村祝夫
記事体裁
抄録
疾患領域
泌尿器
/
癌
診療科目
泌尿器科
/
腫瘍内科
媒体
排尿障害プラクティス
「はじめに」前立腺癌に対する内分泌療法-アンドロゲン除去療法-は, 1966年にCharles B.Huggins博士がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで知られる. 現在ではgonadotropin-releasing hormone(GnRH)アナログと抗アンドロゲン剤を用いたアンドロゲン除去療法が主流で, 手術, 放射線療法とともに, 治療選択のひとつとして広く認知されている. わが国では, 進行症例のみならず, 半数近くの患者で初期治療として行われており, アンドロゲン除去療法の有用性については改めて述べる必要もない. その一方で, アンドロゲン除去療法により生じる低テストステロン血症が引き起こすさまざまな副作用にも注目が集まるようになった. 去勢症候群(castration syndrome)として, 8つの症状((1)性欲, 性的興味の消失, (2)勃起不全, (3)倦怠感, (4)知的能力の低下, (5)抑うつ, (6)筋力低下, (7)腹部脂肪の増加, (8)肉体活動, 活力の低下)が記載されているが1), これらは「加齢男性性腺機能低下症候群 診療の手引き」に挙げられている症状とほぼ同じである2).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。