特集 女性下部尿路症状診療ガイドライン
治療(2)薬物療法
排尿障害プラクティス Vol.22 No.2, 43-49, 2014
下部尿路症状には蓄尿症状のみならず, 排尿症状や排尿後症状も含まれる. 女性の下部尿路症状に対してはさまざまな治療法があるが, この中で薬物療法はその根幹をなすものである. 最近発刊された『女性下部尿路症状診療ガイドライン』に基づき, 薬物療法の中で薬剤の有効性や安全性についてのエビデンスが蓄積されていると考えられる過活動膀胱(OAB)と腹圧性尿失禁に対する薬物療法を中心に解説した. また, 神経因性膀胱などでみられる排出障害の治療薬についても概説した.
「I 過活動膀胱の薬物療法(表1)」過活動膀胱(overactive bladder ; OAB)は女性下部尿路症状の主要な原因のひとつであり, 薬物療法はその治療の根幹をなすものである. さまざまな薬剤のなかで, 有用性や安全性について最も検討がなされているのは抗コリン薬であり, 最近, 新たな経口薬や異なる剤形の薬剤も処方可能になった.
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