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特集に寄せて

排尿障害プラクティス Vol.22 No.2, 7, 2014

2013年11月に, 女性下部尿路症状を有する患者を包括的に診療するために『女性下部尿路症状診療ガイドライン』が刊行された. 女性下部尿路症状に関連するガイドラインとしては, 2004年に『EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン』が刊行されたが, 本ガイドラインが発刊されるまでに9年が経過した. そこで今回, 本領域における診療の著しい発展を鑑み, その内容を一新した. さらに尿失禁だけでなく, すべての女性下部尿路症状を網羅し, かつプライマリケア医(初期診療)と専門医(専門的診療)の両方を対象にするものを目指した. おそらく, このようなガイドラインは世界でも初めてであり, 非常に意欲的なものになったと自負している. しかし同時に, 誕生するまでにいくつかの困難に直面した. まず, 診療アルゴリズムにおいて, 過活動膀胱, 腹圧性尿失禁などの蓄尿症状に加えて, 排尿症状・排尿後症状をどのように位置づけて, 診断と治療に導くか. すでにある下部尿路症状に関連するガイドラインとの整合性を保ちながら, いかにup to dateな内容にするか. 女性の排尿障害(排尿筋低活動, 下部尿路閉塞)に関するエビデンスが少なく, その病態・診断・治療の記述が困難であったことなどである. しかし, 各作成委員の努力と委員会での活発な議論によって, これらの課題は克服された. 本特集は, ガイドラインの各章を主に担当された作成委員の先生方による分担執筆である. ぜひご一読のうえ, 本ガイドラインのエッセンスを理解していただきたい. そして, この新しく誕生したガイドラインが, 皆さんの日常診療の指針として活用され, わが国の女性下部尿路症状診療のさらなる普及と標準化に貢献できたら, われわれ作成委員全員の喜びである.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

抄録