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特集 パーキンソン病の排泄障害

総論

榊原隆次舘野冬樹岸雅彦露崎洋平矢野仁高橋修杉山恵

排尿障害プラクティス Vol.21 No.1, 7-10, 2013

パーキンソン病(PD)は, 中高年者に発病し, 脳幹部の中脳黒質ドパミンニューロンの変性に伴い安静時の手足の粗大な振戦, 小刻み歩行, 寡動, 筋強剛などの運動障害を来す, 緩徐進行性の代表的な錐体外路系変性疾患である. PDの排泄障害は, 非運動障害の中で最も多いもののひとつと思われる. このうち排尿障害は60~70%にみられ, 頻尿・尿失禁などの蓄尿症状が多くみられる. 病態機序として, 副交感神経の核上性障害を示す排尿筋過活動が高頻度にみられる. SPECTによる検討, 動物実験での結果から, これはおそらくPDの中枢病変, すなわち黒質線条体ドパミンニューロンの変性, 特に前頭葉-基底核直接路(ドパミンD1受容体系)の障害が関係しており, 一部, PDの青斑核(PMC)などの病変も関与していると思われる. 括約筋筋電図での神経原性変化はPDではほとんどみられず, 多系統萎縮症に特徴的にみられるので, 両疾患の鑑別に役立つ.
「Key Words」パーキンソン病, 排尿障害, 尿失禁, 排便障害, 便秘

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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