前立腺癌
第33回 デノスマブ(ランマーク®)
掲載誌
排尿障害プラクティス
Vol.20 No.4 43-53,
2012
著者名
小中弘之
/
並木幹夫
記事体裁
抄録
疾患領域
骨・関節
/
泌尿器
/
癌
診療科目
整形外科
/
泌尿器科
/
腫瘍内科
媒体
排尿障害プラクティス
「はじめに」骨転移は前立腺癌, 乳癌および肺癌で多く認められ, 転移性癌患者の75%が骨転移を有するとされる. 前立腺癌においては従来から転移先臓器として骨が圧倒的に多く(それがseed and soil理論のみで説明されるか否かは別にして), いまだ有効な治療法が確立されていない去勢抵抗性前立腺癌(castration-resistant prostate cancer;CRPC)と同様, 骨転移巣に対する治療に難渋を余儀なくされている現状にある. 進行性前立腺癌あるいはCRPCにおいて高率に認められる骨転移は, 重篤な疼痛のみでなく, 骨関連事象(skeletal related event;SRE)と称される局所的かつ客観的評価が可能な事象(病的骨折, 脊髄圧迫, 骨に対する外科的処置, 骨への放射線照射)を引き起こし, 患者のADLおよびQOLを著しく低下させる. したがって, 骨転移を有する前立腺癌に対する治療戦略の第一義は, 前立腺癌の病勢を制御することは当然として, まずは骨転移に伴うSRE発現をいかにして減少させるかに集約される.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。