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特集 脊髄損傷と排泄障害

神経因性排尿筋過活動に対するボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法

井川靖彦

排尿障害プラクティス Vol.20 No.3, 33-39, 2012

慢性脊髄損傷患者の尿失禁の主な原因は神経因性排尿筋過活動(NDO)であり, その治療には一般的に抗コリン薬が用いられている. しかしながら, 無効例や副作用のため長期継続が困難な場合も少なくない. このような抗コリン薬に抵抗性を示す難治性NDOによる尿失禁に対して, ボツリヌストキシン膀胱壁内注入療法の有効性が2000年に初めて報告された. その後, プラセボを対照とした大規模無作為比較試験によって, その有効性と安全性が実証された. 効果の持続期間は約9ヵ月程度であるが, 反復治療の有効性も確認されている. 2011年8月に, 米国FDAがNDOに対してボツリヌストキシンAであるonabotulinumtoxin Aの注入療法を認可した. わが国では保険適応外であるため, 『脊髄損傷における排尿障害の診療ガイドライン』では推奨グレードはC1(行ってもよい)であるが, 今後, 保険適応となり, 普及することが望まれる.
「Key Words」ボツリヌス毒素, 排尿筋過活動, 尿失禁, 脊髄損傷

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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