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排尿障害の私の治療1―夜間頻尿・尿失禁―

夜間頻尿を呈する高齢者における認知・行動療法

白川修一郎松浦倫子廣瀬一浩

排尿障害プラクティス Vol.19 No.2, 47-52, 2011

 高齢者の夜間頻尿は不眠症状の大きな原因となっており,心身の健康全般を悪化させる要因である.夜間頻尿に関連する睡眠障害には,OSAS,RLS,PLMDなどがあるが主疾患を治療すれば改善する.一方,長期不眠に伴う夜間頻尿には睡眠薬の投与のみでは改善しない例も多く,生体リズムの改善を主目的とした認知・行動療法が著効を示す場合がある.

Key Words
夜間頻尿,高齢者,睡眠障害,長期不眠,認知・行動療法

Ⅰ OSAS,RLS,PLMDと夜間頻尿

 高齢者の夜間頻尿が問題となる睡眠障害として,閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)1),不眠および概日リズム睡眠障害などが知られている.閉塞型睡眠時無呼吸症候群での夜間頻尿は,cPAP(持続的気道陽圧法)による治療で改善することが報告2)されており,OSASの治療が優先する.OSASのスクリーニングにはBerlin Questionnaire3)が広く使用されている.また,麻酔科分野で術前に問診と理学所見によりOSASの疑いをスクリーニングするためのツールとしてSTOP questionnaire4)が提唱されているので応用されるとよい.OSASでは,睡眠薬の服用は症状を悪化させる場合が多く,夜間頻尿による不眠の治療においては注意が必要である.むずむず脚症候群(RLS)や周期性四肢運動障害(PLMD)でも夜間頻尿が報告されているが,RLSやPLMDと夜間頻尿の関係を明瞭に示す報告はなく,RLSやPLMDで生じる入眠障害や中途覚醒により排尿行動が誘発されている可能性が高く,RLSやPLMDの治療が優先する.RLSとPLMDの疑いに関するスクリーニングには国際RLS研究グループより質問紙5)が作成され,重症度スコアのチェックリストも提供されている.国際RLS研究グループの質問紙の主要な4項目を表1に示す.

RLSとPLMDでは,主要な訴えが入眠障害や睡眠維持障害の場合も多く,よく使用されている睡眠薬は治療効果を示さないものも多いので,注意を要する.OSAS,RLS,PLMD以外で,多尿や過活動膀胱などの泌尿器系疾患も睡眠時に頻回の排尿欲求が生じ覚醒刺激となり不眠を引き起こすことも多いが,泌尿器科治療が優先し大多数は不眠症状も改善するので,本項では割愛する.

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