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小児排尿障害up date

学童における頻尿,尿失禁,夜尿症

梶原充井上勝己加藤昌生薄井昭博碓井亞牟田口和昭沖真実森山浩之

排尿障害プラクティス Vol.15 No.1, 56-61, 2007

学童における頻尿, 切迫性尿失禁, 夜尿症は日常臨床で遭遇することの多い下部尿路障害である. いずれも頻度は高く, 大半は機能的異常によるもので, 年齢とともに自然軽快・治癒することが多い. 以前は軽視され, 無治療で経過観察されることが多かった. しかし, 近年では安全で有効な新薬(抗ムスカリン薬やデスモプレシン・スプレーなど)や治療法(urotherapyや夜尿アラームなど)が利用できるようになった. また, 下部尿路障害はself esteemに悪影響を及ぼし, QOL低下の原因となることも指摘されている. 以上を考えると, 学童においても成人例同様に治療希望例や重症例には適切な尿路管理, 早期治療が必要と考えられる. 本稿および2006年International Children's Continence Society用語基準, 夜尿症ガイドラインが学童の頻尿, 切迫性尿失禁, 夜尿症の標準的な診断, 治療に役立ち, 医療の質の向上が図られることを切望する. 「はじめに」 学童における頻尿, 切迫性尿失禁, 夜尿症は下部尿路障害の代表的な症状である1). その他の障害としては過活動膀胱(OAB)や残尿感, 尿路感染症(UTI), 膀胱痛, 排出障害であるdysfunctional voidingやunderactive bladder(lazy bladder), 行動障害のひとつであるvoiding postponeなどがある1). 原因の大半は機能的異常であり, 概して年齢とともに自然軽快・治癒する. しかし, 経過観察のみで下部尿路障害の全例が安定した蓄尿・排尿となり, 尿禁制を獲得する訳ではない. 細菌尿, UTI, 後部尿道弁などの解剖学的下部尿路閉塞, 膀胱尿管逆流症(VUR), 神経因性膀胱, 精神・行動障害などのひとつの症状として下部尿路障害が出現することもある. 適切な尿路管理や早期治療が行われないと不可逆性腎・膀胱の変形や機能障害となることもある. また, 尿失禁や夜尿症はself esteemに悪影響を及ぼしQOL低下の原因となる.

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