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特集 循環器領域の抗血栓療法のさらなる進化

基礎 血小板機能の基礎知識と抗血小板薬

掃本誠治辻田賢一小川久雄

CARDIAC PRACTICE Vol.32 No.1, 21-26, 2021

血小板は止血と血栓のいずれにおいても重要な役割を果たすが,止血は生理的な機序であり,血栓は病的な状態である。同じ血小板が悪にでもなり,善にでもなるという何とも気難しい細胞といえるかもしれない。血小板は造血幹細胞から分化・成熟した巨核球から産生され,核をもたない微小な細胞で直径約2μmの円盤状で(非活性時),血流の真ん中ではなく血管壁に近いところを流れ,寿命は8〜10日である。血小板内にはα顆粒,濃染顆粒と呼ばれる細胞内顆粒があり,それぞれフィブリノゲン,von Willebrand因子(vWF)やアデノシン二リン酸(adenosine diphosphate:ADP)などが存在し,それらは放出物質として血小板機能に重要な役割を担っている。
「KEY WORDS」血栓,血小板機能,抗血小板薬,チエノピリジン系抗血小板薬,P2Y12受容体

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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