EBM Hot Flash
「DAPA-HF試験」
CARDIAC PRACTICE Vol.31 No.1, 68-71, 2020
心不全は世界で約6,400万人が罹患しており1),日本で実施された心不全患者数の予測に関する疫学研究では,2030年に心不全患者は130万人に達すると推計されている2)。心不全では神経体液因子のバランス破綻がその進展に寄与するため,交感神経系やレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系をターゲットにした治療薬が開発されてきた。
これらの薬剤を中心とした治療法により生命予後は改善してきたが,依然として心不全患者の予後は不良であり,いまだ十分とはいえない。入退院を繰り返す高齢心不全患者が増えていることから,医療経済的にも大きな問題となっており,新たな心不全治療薬の開発が期待されている。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。