特集 循環器疾患のPrecision Medicine
座談会 循環器Precision Medicineが開く未来
CARDIAC PRACTICE Vol.31 No.1, 61-67, 2020
従来,医療は平均的な患者のためにデザインされた“one-size-fits-all”型が中心でしたが,最近は患者1人ひとりの因子を考慮して最適化した治療の提供を目指すテーラーメイド医療が求められるようになっています。さらに,これからの医療は共通の特徴を有する患者群に合わせた予防や治療を目指すPrecision Medicine(精密医療)の方向へと向かっています。しかし,循環器領域は生存者から組織を採取することが困難であることなどから,腫瘍領域などと比較してもこの方向に進んでいるとは言い難い状況であり,今後の展開に期待がかかります。なかでも,肺高血圧症や心筋症などの難病疾患に対する治療反応性を高め,予後を改善するためにも,新たな方法であるゲノム解析やAI解析などの活用が喫緊の課題となっています。
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