ゲノム情報を利用した疾患層別化に基づく個別化医療,すなわちPrecisionMedicineは,がんゲノム医療に代表されるように新しい医療システムとして世界的に大きな広がりをみせはじめている。ゲノム診断に加えて,分子情報を根拠とした病態理解,発症および予後予測などの予防医療,そして新たな疾患治療法の開発など,次世代型医療の一翼を担う最新の医療システムとして大きな発展が期待されている。特に希少難病におけるようなゲノム解析による診断だけでなく創薬開発など治療介入への試みは,研究者が基礎研究から見出した知見を臨床診療に応用還元できる可能性を有しており,実際に医師主導型治験として多くの挑戦が行われている。
「KEY WORDS」遺伝性徐脈性不整脈,網羅的ゲノム解析,KAChチャネロパチー,KAChチャネル選択的阻害薬,医師主導型治験