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特集 循環器疾患のPrecision Medicine

基礎 心臓分子イメージングによる心不全患者層別化への挑戦

樋口隆弘

CARDIAC PRACTICE Vol.31 No.1, 22-26, 2020

分子イメージングは,体内に投与するトレーサのデザインを工夫することで,病態の鍵となるさまざまな局所分子変化を画像として捉えることができる先端技術である。形態上の変化が生じる前の分子レベルでの変化や異常を捉えることが可能であり,特に放射性同位元素により標識されたトレーサを用いた核医学的分子イメージングは,ヒトの体内にあるシグナルを画像に変換することができるため,臨床応用への可能性の点からも,分子イメージングの中核をなす技術として近年注目されている。なかでも陽電子放出断層撮影法(positron emission tomography:PET)は,従来の単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(single photonemission computed tomography:SPECT)と比較して高感度かつ高分解能で病変の検出が可能であることから,臨床での利用が急速に拡大し,18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)PET検査で代表されるように,がんの病期診断や再発診断にその臨床利用が確立している。
「KEY WORDS」陽電子放出断層撮影法(PET),心不全,画像診断

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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