大動脈弁狭窄症(aortic valve stenosis:AS)の原因は石灰化による弁変性が最も多く1),高齢化社会の進む今後,患者数は増加していくことが予想される疾患である。重度大動脈弁狭窄症(severe aortic valve stenosis:sAS)は,古典的には弁口面積(AVA)が1cm2以下,大動脈弁位の最大血流速度(peak velocity:peakV)が4.0m/sec以上,平均圧較差(mean PressureGradient:mPG)が40mmHg以上にて診断され,有症候性であれば大動脈弁置換術(aortic valve replacement:AVR)による予後改善が得られるため2)3),各ガイドラインともにclassⅠ推奨でのAVR適応とされている4)5)。また,無症候性であっても,LVEF≦50%6),極めて重度7),運動負荷試験で陽性所見を認める8)場合は,AVRを検討する。無症候性sASに対する早期AVRが保存的診療よりも予後がよかったことが近年報告される9)など,無症候性sASへの外科的介入についても積極的な意見が増えてきた。ASは正しい診断と介入にて明らかな予後改善が得られる疾患であり,本稿では最近の知見を含めたsASへの介入についてまとめたい。
「KEY WORDS」sAS,AVR,pLFLG sAS,TAVI
「KEY WORDS」sAS,AVR,pLFLG sAS,TAVI