社会の高齢化に伴い,大動脈弁狭窄が増加している。疫学調査によると,大動脈弁疾患の頻度は60歳前後より加齢とともに急激に増加し(図1)1),その7割は大動脈弁狭窄であり,多くは大動脈弁変性症・石灰化に基づく。このように加齢とともに頻度が増加する大動脈弁狭窄は,今では弁置換・弁形成が必要な弁膜症の原因疾患の第1位である。本稿では,この病態に関する現段階での知見について触れる。
「KEY WORDS」大動脈弁狭窄,加齢,脂質異常,ワルファリン