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特集 心臓弁膜症:診断と治療の進歩

総論

泉知里

CARDIAC PRACTICE Vol.30 No.3, 14, 2020

高齢化社会に突入し,大動脈弁狭窄症,僧帽弁閉鎖不全症,心房細動に伴う三尖弁閉鎖不全症の症例数が増加している。そのような背景のなかで,心臓弁膜症の診断・治療に関しては,ここ数年の進歩はめざましいものがある。
高齢で高リスク症例に対してカテーテルインターベンションが施行可能となり,その症例数は急速に増加している。高リスク患者のみならず,中等度リスクや低リスク患者を対象とした経カテーテル大動脈弁留置術の試験において,外科的大動脈弁置換術に比べて非劣性の結果が発表され,今後,経カテーテル大動脈弁留置術はよりリスクの低い患者にまでその適応が広がっていくと思われる。また,低心機能の機能性僧帽弁逆流患者に対するMitraClipの予後改善効果を示す大規模無作為化比較試験も発表されており,今後,さらに僧帽弁に対する新たなデバイスの導入も期待されている。一方で外科的治療においても,MICS,ロボット手術など,より低侵襲化を目指して多くの工夫がなされている。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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