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特集 ガイドラインに基づいた心不全診療のスタンダード

トピック 注目される緩和ケア―ACPとチームビルディング―

安斉俊久

CARDIAC PRACTICE Vol.30 No.2, 58-62, 2019

緩和ケアというと癌の終末期医療が一般的に想定されるが,最近では緩和ケアは癌だけでなく,生命を脅かすすべての疾患に対して考慮すべきものとされ,身体的のみならず,心理・社会的な苦痛などの問題を早期に発見し,的確なアセスメントと対処を行うことによって,苦しみを予防し和らげ,クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を改善することの必要性が世界保健機関(WHO)で提唱されている。
高齢社会の進行とともに心不全患者は急増し,入退院を繰り返す症例が年々増加している。心不全症状そのものは,急性期治療によって速やかに改善することから,患者および医療者はともに,悪化した際には再度入院すればよいと考えることが多く,本当の終末期に至った際に,患者とその家族が本来望まなかった侵襲的処置が施されてしまうことは,日常臨床で多く経験される。また,循環器治療のみで改善できない呼吸困難や倦怠感,不安や抑うつに対してどのように対応すべきか,治療の差し控えなどに関する倫理的問題をどう解決すべきかなど,多くの医師は悩んでいる。そのような状況のなかで,心不全患者に対する緩和ケアの重要性が着目され,最近改訂された「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」1)においても新たな項目として記載されるに至った。
「KEY WORDS」緩和ケア,終末期医療,心不全,アドバンス・ケア・プランニング,多職種チーム

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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