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特集 神経システムと循環器疾患

総論

樂木宏実

CARDIAC PRACTICE Vol.30 No.1, 15, 2019

脳や自律神経系は心血管系の血流を調節することによってすべての臓器の機能に関係し,循環系の機能低下は脳血流不全を介して神経システムに影響を与える。相互の情報伝達においては,求心性神経として大動脈や頸動脈における圧受容器反射,腎交感神経の役割は大きい。このような神経系と循環器系の生理的関連が脳心連関の中核と考えられているが,最近の研究の進歩により,疾患との関連ならびに脳心連関の機序解明が進み,それ自体を標的とした治療法の開発も進められている。
脳がさまざまな恒常性維持に関与していることは誰もが認めるところであるが,詳細な機序の究明とともに介入方法の探索が必要である。腎交感神経に対する除神経術は新しい介入方法として注目されているが,まだ臨床応用途上の段階である。脳への刺激自体を外から調整する技術の開発,脳内の神経系に作用しうる薬剤やそのdeliveryシステムの開発,脳心連関をつなぐ内分泌系や免疫系への介入法の開発などが求められる。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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