数百兆個の微生物から構成されるヒト腸内細菌叢が疾患を含むさまざまなヒトの生理状態と密接に関係することが近年明らかになってきた1)2)。こういった細菌叢がもつ生理作用やその生態系の研究は,細菌叢DNA(メタゲノム)のゲノム・遺伝子情報を直接収集・解析する次世代シークエンサー(next generation sequencer:NGS)を用いたメタゲノム解析技術によるところが大きい。本稿では,NGSを用いた細菌叢メタゲノム解析とその臨床応用に関する技術背景を紹介する。
「KEY WORDS」腸内細菌,メタゲノム,16Sリボソーム遺伝子,次世代シークエンサー