特集 脂質異常と冠動脈疾患
臨床 脂質低下による心血管イベント抑制の大規模臨床試験を総括する
CARDIAC PRACTICE Vol.29 No.2, 27-32, 2018
脂質異常症(dyslipidemia:DLP)が,冠動脈疾患を含めた心血管イベントの重要な危険因子であることは,これまでの数多くの疫学的研究で明らかになっている。日本人における高コレステロール血症と冠動脈疾患の関連性も,全国的な調査としての「厚生省特定疾患原発性高脂血症調査研究班」の成績や厚生労働省の第4次循環器疾患基礎調査受診者の追跡調査の成績(NIPPON DATA),第5次循環器疾患基礎調査ならびに地域における疫学的研究により示されている。この脂質異常症の中でも,粥状動脈硬化との関連が最も強いのはlow-density lipoprotein(LDL)コレステロール(LDL-C)と考えられている1)-8)。
本稿では,脂質低下による心血管イベント抑制について検討した臨床試験の中で,主にLDL-Cと心血管イベント2次予防に焦点をあてた試験を中心に述べる。
「KEY WORDS」LDLコレステロール,2次予防,スタチン,エゼチミブ,エボロクマブ
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