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特集 脂質異常と冠動脈疾患

基礎 脂質と血管リモデリング

原哲也石田達郎

CARDIAC PRACTICE Vol.29 No.2, 17-21, 2018

血管リモデリングとは,従来,高血圧に伴う細動脈の構造変化に対して用いられた概念で,細胞の増殖を伴わず,既存の構成成分の配列変化により,内腔狭窄を来たすため,必ず血管外径の減少を伴うと定義されたが,近年ではより広義に,血管が血流や血圧などの血行動態の変化や血管障害に反応して,その構造を変化させることとされる。一般的には,Glagovらが報告した,冠動脈において動脈硬化プラークが増大しても,血管自体が拡大することによって血管内腔が保たれる冠動脈の代償性拡大(ポジティブリモデリング)1)と,その反対に血管径自体が縮小するネガティブリモデリングの2つを指すことが多いが,血管新生の領域では初期の内皮細胞のみからなる新生血管から,周囲細胞の形成,窓構造の形成に至る過程を新生血管リモデリングと呼び,先に述べた高血圧では眼底動脈など末梢血管の血管壁肥厚と内腔狭小化のことを指す。さらに近年では肺高血圧症の発症メカニズムの理解が進み,肺高血圧症における肺動脈病変の特徴である内膜や中膜の肥厚を肺血管リモデリングと呼ぶ。以上のように,「血管リモデリング」という言葉は対象とする血管や疾患概念によって意味合いが異なるが,本稿では前者のGlagovらが提唱した一般的にいわれる血流変化に伴う代償性変化としての血管リモデリングを中心に脂質異常との関連性を概説する。
「KEY WORDS」血管リモデリング,動脈硬化プラーク,MMP

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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