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特集 脂質異常と冠動脈疾患

総論

宮内克己

CARDIAC PRACTICE Vol.29 No.2, 14-15, 2018

心血管死亡は主要な死因であり,死亡者数は世界で年間約1,700万人にも達する。日本でも心疾患,脳卒中による死亡はそれぞれ悪性腫瘍に次いで死因の第2位,第3位を占めている。その心血管疾患発症の危険因子としてLDL-Cが関与していることは確立された事実である。その確立された過程は非常に単純かつ強固である。LDL-Cの数値が高ければ悪い,すなわち動脈硬化が進展し,心血管事故も増加する。そしてLDL-Cの数値を下げればよくなる,すなわち動脈硬化は退縮し,心血管事故が減少するということを立証してきた歴史である。LDL-Cが高いことがイベント発生率上昇に関与することは多くの疫学研究で明らかにされ,病理学的研究で脂質が血管内に蓄積することも証明されてきた。そして,コレステロール仮説を立証するために介入試験が多数実施され,その結果はメタ解析としてまとめられ,スタチンによるLDL-C 1mmol低下が心血管イベント発症リスクを21%低下させることが示された。このような強固なエビデンスに基づいて欧米やわが国のガイドラインは作成され,積極的LDL-C低下療法が心血管イベント減少につながることが明記されている。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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