鈴木 2016年12月に日本脳卒中学会と日本循環器学会が共同で,「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」を発表しました。日本人の死因は悪性新生物が1位ですが,高齢者に着目すると圧倒的に循環器病が多いことから,「Stop CVD!」と称して脳卒中および循環器疾患を克服することで,国民の健康寿命を延伸することを目指しています。もう1つの目的として立法がかかわっており,循環器と脳卒中の先生方が一体となって「脳卒中・循環器病対策基本法」を成立させようという機運が高まっております。そういった状況の中で,本日は循環器領域および脳卒中領域の先生方にお集まりいただき,ディスカッションをしていきたいと思います。
一言で脳卒中といっても,脳出血と虚血性の脳梗塞があります。脳出血の最も大きな原因は高血圧ですが,高血圧の診療が進化しコントロールが良好になったこともあって,高血圧自体による出血は非常に少なくなっています。それに対して脳梗塞は非常に増えていますし,時代によって病型分布も変化しています。1970年代頃までは脳梗塞は少なかったものの,その中では血圧コントロール不良に関連したラクナ梗塞が多く,その後は食事の欧米化に伴ってアテローム血栓性脳梗塞が主体となりました。最近はそれも克服されつつある一方で,高齢化に伴って心房細動などによる心原性脳塞栓が出てきました。
一言で脳卒中といっても,脳出血と虚血性の脳梗塞があります。脳出血の最も大きな原因は高血圧ですが,高血圧の診療が進化しコントロールが良好になったこともあって,高血圧自体による出血は非常に少なくなっています。それに対して脳梗塞は非常に増えていますし,時代によって病型分布も変化しています。1970年代頃までは脳梗塞は少なかったものの,その中では血圧コントロール不良に関連したラクナ梗塞が多く,その後は食事の欧米化に伴ってアテローム血栓性脳梗塞が主体となりました。最近はそれも克服されつつある一方で,高齢化に伴って心房細動などによる心原性脳塞栓が出てきました。