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特集 循環器内科医が知っておくべき脳卒中診療

トピック 急性期脳梗塞に対する血栓回収療法

山上宏

CARDIAC PRACTICE Vol.29 No.1, 55-59, 2018

内頚動脈,中大脳動脈や脳底動脈などの急性脳主幹動脈閉塞(emergent large vessel occlusion:ELVO)による脳梗塞では,神経症状が重篤で機能予後および生命予後が不良である1)2)。また,recombinant tissue plasminogen activator(rt-PA)静注療法(IV rt-PA)による早期再開通率も低いことが知られている3)。このようなELVOによる脳梗塞に対して,脳血管内治療の追加により早期再開通を図り,患者の機能予後改善を目指す試みがなされてきた。2010年頃からステント型脳血栓回収機器(ステントリトリーバー)や血栓吸引カテーテルなどの新規デバイスが導入され,2015年には発症早期のELVOによる脳梗塞に対する血栓回収療法の有効性が,さらに2018年には発症時刻不明例や発症から時間が経過したELVOに対する同療法の有効性が示された。これらのエビデンスの確立により,急性期脳梗塞の治療は大きな変革を迎えている。
「KEY WORDS」急性期脳梗塞,脳主幹動脈閉塞,血栓回収療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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