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特集 超高齢社会における循環器疾患

臨床 超高齢循環器疾患患者の在宅医療

弓野大

CARDIAC PRACTICE Vol.28 No.3, 69-73, 2017

高齢者心不全は,不可逆的に進行し,経過が長く,医療や介護を要する期間が長いのが特徴ともいえる。また脳血管障害や認知症,フレイルなどの併存,そして生活環境の問題もあり,基幹病院による専門医ではなく,かかりつけ実地医家が地域で形成する診療体制こそが,患者の生活の質と生活の場に軸をおくことができる慢性管理となる。このように高齢者の心不全診療を考える上で,心臓という臓器疾患への介入に焦点をおく「医療モデル」だけではなく,個々の生活の質を意識できる「生活モデル」が重要となる。心不全の在宅医療は,この医療と生活の両方をみていくことにより,増悪を予防し,急性増悪への介入,そして看取りまでを行い,心不全患者が再入院せず,住み慣れたところで最期まで過ごすことをサポートすることが目的となる。
「KEY WORDS」心不全,在宅医療,高齢者,終末期医療,意思決定支援

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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