特集 再生医療・遺伝子治療
臨床 骨髄を用いた脳梗塞の再生医療
CARDIAC PRACTICE Vol.28 No.3, 45-47, 2017
われわれは,自己培養骨髄間葉系幹細胞を医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)下で一般医療化すべく,治験薬(自家骨髄間葉系幹細胞“STR01”)として医師主導治験を実施し,医薬品(再生医療等製品)として実用化することを試みている。脳梗塞は,2013年2月に治験届を提出し,医師主導治験を開始している。脊髄損傷は,2013年10月に治験届を提出し,医師主導治験を開始している1)。
「先駆け審査指定制度」とは,2014年6月に厚生労働省が取りまとめた「先駆けパッケージ戦略」の重点施策や,「日本再興戦略」改訂2014を踏まえて導入したものであり,この制度は,対象疾患の重篤性など,一定の要件を満たす画期的な医療機器,再生医療等製品について,開発段階から対象品目に指定し,承認に関する相談・審査で優先的な取り扱いをすることで,承認審査の期間を短縮することを目的としたものである。通常の新医療機器の場合,12ヵ月を目標に審査を行っているところ,この制度を活用することで,審査期間の目標をこれまでの半分の6ヵ月に短縮することが可能になる。指定品目は,日本における早期実用化により成長戦略に掲げるイノベーションの促進にもつながることが期待されている。
「KEY WORDS」移植,再生医療,細胞療法,静脈内投与,神経再生
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。