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特集 再生医療・遺伝子治療

臨床 重症心不全に対する心筋再生治療法の実用化

澤芳樹

CARDIAC PRACTICE Vol.28 No.3, 33-38, 2017

わが国の心不全による年間死亡者数は約4万3千名,特にend-stage心不全にあっては1年死亡率が75%とされる。高齢化,虚血性心疾患の増加に伴い,今後心不全患者数の増大およびそれに伴う治療費の増加が予想される。重症心不全に対する現在の最終的な治療法は,補助人工心臓や心臓移植などの置換型治療であるが,現段階では前者はその耐久性や合併症,後者はドナーの確保や免疫抑制剤などに問題があり,普遍的治療とはいい難いのが現状である。
また,小児心不全においては,WHOの勧告により海外渡航移植は禁止されようとしているにもかかわらず,日本の小児心臓移植における法整備は依然整っておらず,成人の移植よりも深刻なドナー不足が予想される。
「KEY WORDS」重症心不全,筋芽細胞シート,サイトカイン,多施設治験,トランスレーショナルリサーチ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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