特集 超高齢社会における循環器疾患
臨床 超高齢社会における緩和医療と終末期ケア
CARDIAC PRACTICE Vol.28 No.2, 47-50, 2017
日本における高齢化は60歳以上が人口の30%,75歳以上が15%以上となり,世界に先駆けて超高齢社会へ突入している。低侵襲手術,移植医療や人工心臓をはじめとする補助循環の導入で,これまで致命的であった症例が救命可能となり難治性循環器疾患に対する治療の進歩は目覚ましい。一方で超高齢化とともに侵襲的治療の非適応例や治療後に増悪して集中治療室で終末期を迎える例も増えている。尊厳を維持しながら望む人生を支えるためには,高度医療の適応も含めた今後の治療手段の適応決定の方法や限界,今後の見通しや治療にもかかわらず必ず迎える終末期のことを説明できるタイミングを見極める必要がある。これらの対応は決して終末期のみの対応ではなく,チーム医療として緩和ケアを含めて早期から取り組む必要がある。
「KEY WORDS」終末期医療,生命倫理,ガイドライン,緩和ケア
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。