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リレーエッセイ:MENTORING―Message to Next Generation

重荷を背負うて遠きみちを行くが如し

神原啓文

CARDIAC PRACTICE Vol.27 No.3, 76-77, 2016

急性期病院における循環器の医師達は,生死をさまよう患者の救済者として,重大な責任を持ち,かつ適切な対応により患者を救済できた時の満足感や充実感は計り知れないほど大きいものです。また,患者さんや家族からの感謝もそれだけ大きなものがあります。しかし,上手く急性期を乗り越えた患者さんでも,再発の不安は大きく,潜在的な不安からうつ状態に陥ったり,何かのきっかけで不安感が再燃することも少なくないことを,患者さんから何度か教えられました。振り返ってみますと,京大病院で,私たちが心筋梗塞患者さんに心臓リハビリテーションを開始したのは1982年でしたが,その頃はまだ日本で心臓リハビリを行っている施設はほとんどない状況でした。もちろん保険適用もないので,病棟ないし大学の体育館を利用し,研究費で接着型の電極を購入,心電図モニター装置などもその都度移動して,リハビリを継続していました。我々の実施していたリハビリはスポーツ・リハビリでスクリーニングのテストに合格した後は,競わせはせず,ランニングや卓球,バドミントン,水泳などをやってもらう方式でした。やがて,患者さんたちは,同好会を結成し,相互に連絡を取り合いながら,リハビリを熱心に継続してくれました。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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