特集 Imaging modalityの進歩とPCI
臨床 びまん性病変の評価とPCI
Theoretical basis and limitation of PCI to diffuse atherosclerosis -insight from myocardial perfusion-
CARDIAC PRACTICE Vol.26 No.3, 39-44, 2015
「心筋虚血とびまん性病変」最初に,本稿で取り上げるびまん性病変とは,従来の血管造影で診断できる高度狭窄病変長が20mm以上の長い病変ではなく,心筋虚血に関与するびまん性動脈硬化とPCIとの関連を中心に述べる。血管造影を基準に行うカテーテル治療が薬物療法と比較して予後を改善しないという報告がある一方で1)-3),部分冠血流予備量比(fractional flow reserve:FFR)に基づいたカテーテル治療が予後を改善することが報告され,ガイドラインにおいても虚血に基づいた治療適応の決定が推奨されている4)-6)。カテーテルインターベンションは局所の狭窄を解除することにより心筋血流の改善と心筋虚血を軽減することにその効果を発揮すると考えると,その効果が得られる適応をいかに判断するかが大変重要であり,FFRを用いての臨床判断が予後を改善していることも報告されている7)8)。一方,心筋虚血の原因となる冠動脈硬化病変は多くの場合,局所に限局するのではなく,冠動脈樹全体に分布することが多い。このような場合にはどこにどのようにステントを留置するのかに関しての理論的根拠が必要となる。
「KEY WORD」Percutaneous coronary intervention,Diffuse atherosclerosis,Coronary flow reserve,Fractional flow reserve
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