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J-DHF
掲載誌
CARDIAC PRACTICE
Vol.25 No.1 72-73,
2014
著者名
山本 一博
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
心臓血管外科
/
老年科
媒体
CARDIAC PRACTICE
「はじめに1)」慢性心不全は左室駆出率が低下している収縮不全と, 左室駆出率低下を認めない拡張不全に分けて論じられる. 収縮不全ではエビデンスに基づいた治療ガイドラインが策定されている一方で, 拡張不全の治療についてはいまだにエビデンスは乏しい. 本稿では拡張不全におけるβ遮断薬カルベジロールの有効性について検討した介入試験であるJapanese Diastolic Heart Failure Study(J-DHF)の結果について概説する. 「J-DHF試験」本試験はPROBE法にてわが国で実施し, 拡張不全患者245名を無作為にカルベジロール投与群と非投与群に分け, β遮断薬以外の薬剤は併用可能とした. 一次エンドポイントである心血管死ないし心不全入院(図1A), 主要複合エンドポイントの1つである心血管死ないし心血管系の原因による入院(図1B)含め, すべてのエンドポイントでハザード比は1.0未満であったが, カルベジロールのイベント抑制効果は確認し得なかった1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。