【特集 糖尿病と循環器疾患】
基礎 インスリン抵抗性・高インスリン血症と血管障害
The effects of DPP-4 inhibitors for preventing atherosclerosis
掲載誌
CARDIAC PRACTICE
Vol.24 No.4 17-21,
2013
著者名
宮内秀行
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
糖尿病
/
脳血管障害
/
アンチエイジング
診療科目
一般内科
/
循環器内科
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心臓血管外科
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脳神経外科
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腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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神経内科
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老年科
媒体
CARDIAC PRACTICE
[はじめに] 糖尿病は近年, その他の生活習慣病と合わせメタボリックシンドロームの中に位置づけられている. 心血管疾患の危険因子を相互に増加させるこの病態は, 動脈硬化の背景因子として重要である. わが国における未治療を含めた糖尿病患者数は推計約900万人, 潜在的患者数を合わせると2,200万人を超えるともいわれ, その数は増加の一途をたどっている. 糖尿病の3大合併症(腎不全, 網膜症, 神経障害)はいずれも細小血管障害であるが, 同時に本疾患は, 冠動脈疾患, 脳血管疾患などの大血管障害の重要な危険因子でもある1)2). 以上のことから, 糖尿病を"糖代謝障害に伴う大・小血管の障害による組織障害または臓器不全"と捉え, 糖尿病により引き起こされる血管障害の発症機序を解明し, その予防・治療法を確立することは現代医療の重要な課題である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。