リレーエッセイ:MENTORING―Message to Next Generation
心不全の定義をめぐって
掲載誌
CARDIAC PRACTICE
Vol.23 No.3 84-85,
2012
著者名
木全心一
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
腎臓
/
膠原病・リウマチ性疾患疫
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
リウマチ科
/
腎臓内科
/
老年科
媒体
CARDIAC PRACTICE
心不全は「心疾患の末期状態」で, 一般の人でも漠然とではあるが概念を掴んでいて, 日常会話にもでてきます. しかしよく考えると, 定義の境が不明確なために, 類似の病態を含む可能性があると同時に, 病態が異なる色々な心疾患からも心不全は起こるので, 多様な病態の症例も含くまれています. 極端な例から話を始めます. 「1. 死亡診断書での「心不全」」新聞の死亡欄での死因をみると, 以前はほとんどが「心不全」でした. 死亡診断書でも「心不全」「呼吸不全」が死因として多くみられました. しかし, そのなかには色々なものが含まれていて, 心不全を研究している私としては, 日本の心不全の実態が分からず困っていました. ある時, 厚生労働省の死因統計の検討会の委員に選ばれたので, この問題を取り上げました. 心臓に疾患がないのに, 死因を「心不全」とするのはおかしく, 死因が特定できないときは, 急死か突然死として書くべきだと主張したのです.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。