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JCARE-CARD
CARDIAC PRACTICE Vol.23 No.2, 96-99, 2012
「はじめに」 慢性心不全患者を対象に臨床像や長期予後を評価した疫学研究は, 欧米など海外において行われた研究がほとんどであった. しかしながら, 人種, 年齢構成, 医療制度の異なるわが国の患者に欧米のデータをそのまま当てはめることはできないため, わが国独自の研究が必要とされてきた. JCARE-CARD(Japanese Cardiac Registry of Heart Failure in Cardiology)は, 2004年1月~2005年6月に慢性心不全の増悪により日本循環器学会認定研修施設164病院に入院した患者2,675例を対象に, 患者背景, 治療内容, 予後データをWeb上で収集した前向き登録観察研究である1). JCARE-CARDでは除外規定を設けず, 慢性心不全の診断にて入院治療を行い, 文書による同意の得られた患者はすべて登録対象としている. 各々の患者で登録時に患者背景, 基礎疾患, 心不全増悪の誘因, 合併疾患, 心電図・心臓超音波検査所見, 退院時血液検査所見を登録し, 退院時処方を含む治療内容を調査し, 退院後平均2.2年の予後を調査した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。