<< 一覧に戻る

特集 交感神経と循環器疾患Revisited

各論 中枢における交感神経調節

Central Cardiovascular Regulation

廣岡良隆今泉勉

CARDIAC PRACTICE Vol.23 No.2, 49-53, 2012

「はじめに」 最近, 再び交感神経系の重要性が注目されている. 基礎的な研究から腎交感神経焼却術が難治性高血圧の治療に応用されるようになって, 現実的なものとなったからである. 交感神経活動を規定するのは脳, すなわち中枢である. 特に最近10年間の研究によって多くのことがわかってきた1)2). 本稿では, その基本的な概念から新たに注目されている事柄について概説し, 中枢性循環調節の重要性を理解する助けとなれば幸いである. 優れた総説や教科書をぜひ参考にされたい1)3)4)5). 「血管運動中枢とは?」 交感神経系を調節する古典的な血管運動中枢(vasomotor center)は5つあるということは実はあまり知られていない. 欧米の生理学研究者の間では常識的な話であるが, おそらく現在の医学部生理学ではほとんどの学生は習う機会はないのであろうと推察されるのでここで紹介する. すなわち, 吻側(頭側)延髄腹外側部(野)(rostral ventrolateral medulla:RVLM), 視床下部室傍核(paraventricular nucleus of the hypothalamus:PVN), A5領域, 吻側延髄腹内側部(rostral ventromedial medulla:RVMM), 縫線核, の5つである1).
「KEY WORD」脳,圧受容器反射,交感神経系,高血圧,心不全

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る