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心房細動を俯瞰する

トピックス 心房細動カテーテルアブレーションの長期成績

Long-Term Outcome of Catheter Ablation for Atrial Fibrillation

高橋淳

CARDIAC PRACTICE Vol.22 No.4, 23-26, 2011

はじめに
 心房細動に対するカテーテルアブレーションは,多くの心房細動が肺静脈内心筋起源の心房期外収縮を契機に発生する1)ことが発見されて以来,目覚しい発展を遂げている。異常興奮起源を肺静脈内に封じ込め,治療効果を発揮する電気的肺静脈隔離焼灼2)は心房細動アブレーションの基本であり,近年,三次元マッピングシステムの発達により,多くの施設で施行されている。さらに,心房細動アブレーションは,種々の心房細動基質への追加焼灼の開発により持続性心房細動へと適用を広げている。本アブレーションの有用性は,短期的には高い有効性の報告がなされているが,長期成績に関する報告は少ない。本稿では,心房細動アブレーションにおける長期成績につき概説する。

KEY WORD
Atrial fibrillation,Pulmonary vein isolation,Long-term outcome

発作性心房細動に対するアブレーションおよびその長期成績

 発作性心房細動アブレーションは,その70~90%の症例で肺静脈心筋起源を契機に心房細動が発生するため,電気的肺静脈隔離が基本となる。現在では,Haissaguereらが報告した個別肺静脈隔離2)の欠点を補った拡大肺静脈隔離3)4)が主流となっている。また,10~30%の症例においては非肺静脈起源を有するため5)6),本起源を標的とした局所アブレーションが成績向上に必要である。しかしながら,本起源焼灼は難易度が高いため,心房細動基質アブレーションを追加する施設も散見される。表1は,最近報告された発作性心房細動アブレーションの長期成績を示している7)-12)。

ほとんどの施設が拡大肺静脈隔離アブレーションを基本としており,初回アブレーション後平均2.5~4.8年の経過観察における無投薬下での成績は,41~78%(平均57%)である。Mediら12)は心房細動の再発が平均6ヵ月であり,86%の症例で1年以内の再発であったと報告している。また,Bhargavaら7)やOuyangら11)も,再発例のうち1年以内の再発が,95%および85%であったと報告しており,再発例の多くが1年以内に集中していることがわかる。また,再アブレーション後の成績は57~92%(平均78%)であり,発作性心房細動アブレーションでは,長期経過観察後においても再セッション後には良好な成績が得られると考えられる。当院で拡大肺静脈隔離と非肺静脈起源局所アブレーションを施行した856例の成績を図1に示す。

発作性心房細動症例の初回アブレーション後の再発は37%であり,その再発例のうち78%の症例が1年以内の再発であった。当院の結果においても,再セッション後の洞調律維持率は平均44ヵ月の経過観察期間中で83%であり,再セッションにより良好な成績が得られている。また,Ouyangら11)は5年の経過観察で161例中4例(2.4%)の症例のみ慢性心房細動へ移行したとしており,過去に報告された発作性心房細動症例の慢性心房細動への移行率13)と比べ低く,発作性心房細動アブレーションが慢性心房細動への移行を抑える可能性を示唆している。

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