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ガイドラインに基づいた心不全の非薬物療法

ガイドラインに基づいた治療戦略 疾病管理

Disease management program for patients with heart failure

眞茅みゆき筒井裕之

CARDIAC PRACTICE Vol.22 No.1, 67-73, 2011

はじめに
 慢性心不全患者の多くは入・退院を繰り返す高齢者であり,心臓救急の現場では,再入院予防への対策が急務となっている。欧米では,1990年代半ばから,医師,看護師,薬剤師,理学療法士,栄養士等がチームを組み,患者教育・治療アドヒアランスの向上・病状モニタリング・服薬管理を行う疾病管理(disease management)が,死亡,再入院といった予後や生活の質(QOL)に効果を示すことが数多く報告されている1)-19)。わが国においても,心不全患者に対する疾病管理の有効性の議論が高まっており,慢性心不全治療ガイドラインにおいても,一般管理の項に記載されている。しかしながら,日本人を対象としたエビデンスは皆無であり,今後,日本人を対象とした研究の実施とエビデンスの構築が求められる。本稿では,慢性心不全患者の治療において,疾病管理が必要とされる背景とその有効性,さらにはわが国における疾病管理プログラムの構築について概説する。

KEY WORDS
死亡率,再入院率,疾病管理,患者教育

わが国の慢性心不全患者の特徴

 わが国初の慢性心不全患者を対象とした大規模登録観察研究である「慢性心不全の増悪のため入院治療を要する患者を対象とした調査研究(Japanese Cardiac REgistry in CHF-CARDiology:JCARE-CARD研究)」で,以下の点が明らかとなった20)21)。平均年齢は71歳と高齢であり,特に女性で高齢者の割合が高い(図)。

原因疾患は,虚血性心疾患が32%を占め,弁膜症は28%,高血圧は25%であった。合併症としては,高血圧(53%),糖尿病(30%),慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)(71%),貧血(21%),心房細動(35%)が高率に認められ,多疾患を有する患者の割合が高かった22)-24)。退院時の投薬状況は,ACE阻害薬37%,アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)44%,β遮断薬49%,利尿薬88%であり,多くの患者が複数の薬剤による治療を受けていた。

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