全文記事
ガイドラインに基づいた心不全の非薬物療法
序文
掲載誌
CARDIAC PRACTICE
Vol.22 No.1 2201-13,
2011
著者名
筒井 裕之
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
診療科目
一般内科
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循環器内科
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心臓血管外科
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老年科
/
小児科
媒体
CARDIAC PRACTICE
数々の大規模臨床試験によって慢性心不全に対するレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系抑制薬やβ遮断薬の予後改善効果が明らかにされ,標準的薬物療法としてガイドラインにおいて推奨されるようになった。しかしながら,これらの薬物治療にもかかわらず,心不全は進行性であり,患者の多くが症状の悪化,血行動態の障害をきたし,増悪による再入院を反復し,最終的には治療にもかかわらず死に到る。新規の薬物療法の開発が難渋しているなかで,近年の非薬物療法の進歩には目覚しいものがある。疾患管理は薬物治療の効果を最大限に発揮するための必須の治療と認識されるようになった。不整脈に対するアブレーション治療や植え込み型除細動器(ICD)や心臓再同期療法(CRT,CRT-D)を中心としたデバイス治療の普及は,この10年間で隔世の感がある。さらに,運動療法や呼吸補助療法の取り組みも進んでいる。外科的治療として左室形成術が行われ,冠動脈バイパス術や僧帽弁形成術も併用され好成績をあげている。非薬物治療でも生命維持が困難な重症心不全は左心補助装置,さらに心臓移植の適応となる。植え込み型補助人工心臓の臨床現場への導入も目前である。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。