特集 第37回日本栄養アセスメント研究会発表演題より
クローン病と潰瘍性大腸炎におけるエネルギー代謝と栄養指標の比較検討
Comparison of energy metabolism and nutritional status of hospitalized patients with Crohn's disease and those with ulcerative colitis
栄養-評価と治療 Vol.32 No.1, 31-34, 2015
「SUMMARY」活動期クローン病(CD)患者と潰瘍性大腸炎(UC)患者における入院時の栄養状態とエネルギー代謝を比較検討した。栄養状態は両疾患とも同程度に悪く,栄養スクリーニングや検査値に差は認められなかった。CD患者では活動指数と安静時エネルギー消費量(REE)に関連はみられなかったが,UC患者では正の相関が認められた。UC患者では重症度に応じたエネルギー必要量の設定が必要である。
「Ⅰ 目的」クローン病(Crohn's disease;CD)や潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)は,経口摂取不良に消化吸収障害,蛋白漏出を合併することにより,慢性的な栄養障害を生じる。一般的にCD患者はUC患者に比べて低栄養状態となる頻度が高いとされている1)2)。さらに,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)患者はエネルギー代謝が亢進するとの報告もある3)-5)。しかし,両疾患の栄養状態やエネルギー代謝を比較した報告はみられない。そこで今回,入院治療を必要としたCDおよびUC患者において,活動期の栄養指標とエネルギー代謝について比較検討した。
「KEY WORDS」クローン病(CD),潰瘍性大腸炎(UC),炎症性腸疾患,栄養スクリーニング,間接熱量測定,エネルギー代謝
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