「SUMMARY」血清アルブミン値(Alb)とC反応性蛋白値(CRP)の比:CRP/Alb比(C/A)が栄養サポートチーム(NST)介入後12週時の生存・死亡の予後予測に利用できるか検討した。C/Aは,NST介入後2週時(2w)に生存群で死亡群に比べ有意に低下し,C/A3.0未満の群で生存数が有意に多く,生存群でC/A3.0未満の症例数が有意に多かった。C/Aは2wでの3.0未満への改善の有無から,予後予測に用いることの可能性が示唆された。
「Ⅰ はじめに」血清アルブミン値(Alb)は,静的栄養評価として栄養状態のスクリーニングに,動的栄養評価として長期的な栄養管理の指標に用いられ,また,予後予測の指標としてもさまざまな研究がなされている1)-4)。しかし,Albは生体の炎症や肝・腎機能,脱水などの影響を受けるため,栄養評価指標としてAlbを利用する場合,栄養以外の要因の影響を考慮しなければならない。特に,侵襲時はアルブミンの合成抑制,分解促進が生じるためAlbが低下し,必要な熱量および栄養素が投与されていてもAlbは改善されず,侵襲から回復後上昇する5)。